古書ドリスではピンナップのカードコレクションや写真集などを販売しています。
ピンナップという言葉からはグラマラスな女性がセクシーなポーズをとっている写真やが想起されますが、その歴史を調べてみると１９世紀初めの演劇界に起源があるようです。演劇のパフォーマー・女優たちがショーの宣伝のために名刺代わりとしてプロマイドを配布したことがピンナップの始まりだと言われています。
当初はピンナップ＝壁にピンで留めて飾る写真を指していましたが徐々にセクシーな要素が濃くなり、写真だけではなくイラストで描かれた作品も生み出され、双方ともに芸術性を持ったアートとしての見方が強まったようです。
20世紀初め、第二次世界大戦において、アメリカ軍兵士たちが飛行機のなかやロッカールームにピンナップ写真やイラストを貼り付け、戦場での士気を高めていたというエピソードも。
今回はそんなピンナップの歴史に触れられるような作品集やピンナップガールのヘルシーな姿をファッショナブルな視点で楽しめるカードコレクションなどをご紹介。
Betty Page Passion series 4
こちらは1940年から50年代にかけて活躍したアメリカのモデル、ベティペイジの写真を復刻したカードコレクション。ロープや拘束具で縛られたボンテージ系のフォトも含まれています。
50's PIN-UP Girls BETTY PAGE and friends
こちらは1950年代のピンナップ写真をコレクションしたカードコレクション。被写体はベティ・ペイジのほか、後に伝説的なバーレスクダンサーやストリッパーとなるBlaze Starr, Tempest Storm, Lili St. Cyrが出演。
次にピンナップの広告やイラストの分野で活躍したアメリカの画家ジル・エルブグレンのカードコレクションをご紹介。もともとカレンダーとして販売されていたイラストが1枚ずつカード化されています。人形や動物が登場するユーモラスなワンシーンも。独特のヴィンテージ感がコレクション欲を刺激します。
GIL ELVGREN'S CALENDER PINUPS
両面ともにデザイン性が高いカードコレクション。バラ売りで店頭販売中です。
スタッフはスマホ裏に忍ばせていました。
The Great American Pin-Up
1920～80年代のピンナップ・アートの作品を紹介。ピンナップが花開いた1940～70年代の作品を中心とし、萌芽となったアール・デコ時代の悪魔的な女性像も併せています。図版は900枚以上、すべてカラーです。ピンナップ・イラストの珠玉を集めた作品集。
PIN-UP A MODEST HISTORY
こちらはピンナップの歴史をたどる洋書です。作品の媒体としては写真を主に取り上げ、一方でイラストレーションのピンナップにも触れています。
ピンナップ 著：J・ステンベール、P・シャプロ ピンナップ
こちらは19世紀末のパリのアール・ヌーヴォーまで遡ったピンナップの原型ともとれるイラストが収録された図録です。
最後に「ピンナップ」とは異なりますが、ピンナップに興味がある方には刺さりそうな1冊をご紹介。
DITA VON TEESE L'art du Glamour/L' art du Fétichisme
ディタ・フォン・ティース写真集
バーレスクの女王と称さるダンサー、ディタ・フォン・ティース。マリリン・マンソンの元嫁でもあり、ダンサーとしてだけではなくモデル、実業家、衣装デザイナーなど多様な画面で活躍を見せています。
「最も素晴らしいと思うこと」は『異彩を放つ特別なものであること』と述べる彼女の優雅な魅力が詰まった写真集です。
ご興味をお持ちの方、ご来店お待ちしております。