最近入荷した商品には夢野久作、稲垣足穂の文庫本がありました。
夢野久作は角川文庫とちくま文庫のものが入荷。
稲垣足穂はちくま文庫発行のものが入荷しました。(店頭には河出文庫発行のものを並べていました。)
同じ1人の作家の文庫でも発行元が異なるとその装丁が異なります。
装丁の違いによって本が持つ趣も変わり、そのバリエーションの違いを味わうことは形を持った本を収集することの醍醐味だとあらためて感じました。
今回はその「装丁」の違いに着目しながら、本を紹介します。
まずは夢野久作の文庫から。
夢野久作 角川文庫発行の文庫本
米倉斉加年の作品がカバー画に起用されています。繊細なタッチで描かれる不穏さと狂気をはらむ美しい絵画が並びます。
夢野久作全集 ちくま文庫発行
ちくま文庫発行の全集のカバー画は竹中英太郎によるものです。怪奇的なモチーフをちりばめながらも、パステル調の色彩が使用されていたりと、不思議な軽やかさとジャポニズムが混ざる世界観。
竹中英太郎の作品集も販売中でしたのであわせて紹介します。
夢野久作全集の表紙で起用された作品も掲載されていました。
次に稲垣足穂の文庫についてご紹介。
稲垣足穂コレクション ちくま文庫発行
こちらの装丁はクラフト・エヴィング商會によるもの。素朴さと静けさを持ちながらも天体とつながるような不思議なムード、力みのない軽やかさが素敵です。
稲垣足穂 文庫 河出文庫発行
こちらは新入荷ではなく在庫より。河出文庫発行の文庫は画家・アートディレクターの早川タケジの作品がカバー画として起用されています。ちくま文庫のものとは対照的の派手さ、濃さのあるカバー画です。足穂作品における「偏愛」的な側面にはこのようなインパクトのある絵もマッチしますね。
紹介した本は店頭に並べています。ご来店の際にはぜひお手に取って、装丁の違いをお楽しみください。