TOKYO STYLE 東京スタイル 都築響一 文・編集

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「世界で最も住みたい都市」上位に常に位置付けられる首都「東京」 しかし20年以上前の東京は、世界の都市の中でも家賃が高く、それにも関わらず面積が狭い物件に多くの人が住んでいました。 1997年に刊行された写真集「TOKYO STYLE 東京スタイル 都築響一 文・編集」は、雑誌に登場するようなおしゃれなインテリアとは異なる、住人の生活感や趣味が現れているリアルな部屋を撮影した写真集です。きちんと片付いた部屋は少なく、集めた物で散らかった家、こだわりの感じられる部屋かや、全くこだわりのなさそうな乱雑な様など、東京に住む人々の個性的な部屋をありのまま収めています。 「このような家に住んでいるのはどんな人?」といった疑問を抱えながら、この本を開いていると夢中で読み進めてしまいます。例えば、部屋の真ん中に子供の自転車やおもちゃが散らばり、隣には毎日使う布団や服の収納が直接置かれている写真を見て、なぜそう配置されているのか、何を考えているのかを知りたくなります。 本の中で次のように述べられています。「オーディオ・メーカーに勤める技術者の夫と妻、子供の三人暮らし。マンションの角部屋の狭い1DKで、台形の変形空間だが隣が緑地で閉塞感がないのが救い。リビングルームと子供の遊び場と寝室を、ひと部屋でこなさなくてはならないうえに収納スペースが少なく、整頓には常に気を配らざるをえない。布団は毎朝畳み隅に積んで布をかけ、洋服はケースから直接出し入れする。外に自転車置き場がないので、夫と子供のと2台とも部屋の中に置いておかなくてはならないのがまた大変。」 他人の生活の一端を垣間見るだけでなく、多くの制約に直面する人々がどのように知恵を絞って生活しているのかがわかるようになります。

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