幻想系古本屋「古書ドリス」について
徳島県から、現在の場所、東京都台東区根岸に移転するまで
東京・鶯谷の根岸、かつて「初音の里」と呼ばれた街の「うぐいす通り」の一角に、古書ドリスは店を構えています。
2006年に徳島県で開業。2012年に東京・森下へ移転。そして2017年、書物を扱う場として最適な環境を求め、根岸にたどり着きました。美術館や博物館が並ぶ上野公園から歩いて行けるこの場所は、芸術書を中心とした古書店の立地として理想的でした。
「幻想系古本屋」と名付けた意味
古書ドリスは、2006年の徳島での創業以来、多くのお客さんや本との出会いを重ねてきました。その中で、私自身の興味や関心も変化し、深まるにつれて、現在の「幻想系古本屋」というコンセプトへと自然に辿り着きました。
この店は、全ての人に好かれることを目指していません。もし、多くの人の趣味に合わなかったとしても、幻想、耽美、退廃を愛する数少ない誰かにとっての一番好きな店でありたいと願っています。
私たちが大切にしているのは、特定の感性を持つ方々の琴線に触れるような品揃えです。世紀末芸術、ラファエル前派、唯美主義、ダダ・シュルレアリスム、澁澤龍彦とその周辺の文化と人、球体関節人形、ゴシックカルチャーといったテーマを根幹に、幻想絵画や幻想文学の名作を収めた定番の本から、稀少な限定本、豪華本まで収集しています。
サブカルチャーへの新たな着目
2024年のウェブサイト刷新を機に、古書ドリスはさらにそのコレクションを広げています。1970年代後半から1990年代の雑誌を中心に、サブカルチャー関連の書籍の取り扱いを強化。幻想的な世界観と、特定の時代を象徴するサブカルチャーの多様性が融合する、ユニークな書物の空間がここにあります。これらの本が持つ文化的な価値を深く掘り下げ、再発見していただけるよう、選書しています。
大切な本を次へつなぐ場所
店頭にはあらゆるジャンルの本がありますが、ウェブサイトでは上記の根幹テーマに加え、アートや写真集、外国文学、サブカルチャーなど、幅広くも厳選した書籍をご紹介しています。もちろん、これらのジャンルに限らず、芸術、文学、哲学、ノンフィクション、映画、音楽、漫画といった、多岐にわたる分野の書籍を丁寧に買い取っています。もし、あなたの本棚で次の読み手を待つ本がありましたら、ぜひ古書ドリスにご相談ください。
鶯谷の商店街の一角に立つ古書ドリスは、一見するとふつうの古本屋ですが、奥に進むと、あなたの探している、特別な一冊がある場所です。