異形なもの・倒錯的なもの・痛みと快楽・同性愛、ナルシシズム…、毎号フェティッシュなテーマを貫いたマガジン「SALE2」
編集者は大類信。偏愛的テーマを掲げながら当時まだ日本にはなじみのなかった洋書からの引用も多く、文藝におけるフェティッシュなモチーフを気高く実験的な読み物に昇華させられるセンスは彼ならではのもの。
表紙のアーティスティックなセンスにも驚きますが、コラムを寄せる作家陣も豪華メンバーです。文献としての価値も高いクールなマガジンです。
〇「同性愛と少年愛」の1ページ ・ドイツの写真家、ヴィルヘルム・フォン・グレーデンの特集
・All Japaese are perverse 三島由紀夫による同性愛とナルシシズムについての論考
「フェティシズムは、冷たい抽象的普遍に熱烈な肉の味はいを添えるのだ」という一文が印象的。
〇「変容する性」 植島啓司によるコラム「トランスセクシュアルと想像力」
デュシャン、モリニエ、ベルメールら作家らの「性」に対する姿勢・表現の違いの話など。
〇フェティシズム フランスの写真家ベルナール・フォコンについての澁澤龍彦のコラム
「初々しさ、無邪気さ、純粋さの神話的年頃=幼少期の姿が凝固した肉体(マネキン)の技巧性をもって危険にさらされている」…澁澤はフォコンの作品についてこう述べています。