指先に感じる読書の喜び:古本の「重み」が教えてくれること

指先に感じる読書の喜び:古本の「重み」が教えてくれること

こんにちは!古書ドリス店主の喜多です。

最近は、手軽に本が手に入るようになりましたね。通販でボタン一つ、すぐに自宅に届く便利さや、電子書籍ならタブレット一つで何百冊もの本を持ち運べる身軽さは、本当に素晴らしいと思います。

しかし、私が古本屋で本を買うことの魅力の一つだと感じているのは、「本の重さを実感すること」です。

古本屋になる前のこと。私は学生時代、東京・神保町によく古本巡りに出かけていました。当時はお金がなくて、それでもたくさんの本が欲しかったから、ガレージセールや均一本コーナーで、一冊でも多くの安い本を探すのが日課でした。

吟味して選んだ本を、お店の人が紙袋に入れてくれる。その袋の紐が、指に食い込むほどの重さになるんです。時には指に赤く跡がつくほど、ずっしりと。でも、その痛みに似た重さが、たまらなく嬉しかった。それは、たくさんの本を手に入れたことの喜び、そしてこれから始まる読書への期待が、フィジカルに実感できた瞬間でした。

電子書籍の普及とAmazonのおかげで、私たちはもう、本をたくさん抱えてその重さに耐える必要も、指に紐を食い込ませることもなくなりました。

それでも、この「本の重み」は、古本屋で本を買うことの大きな醍醐味だと感じています。一冊一冊の物語が詰まった塊としての存在感、手に取った時の紙の感触、ページをめくる音。これらはすべて、デジタルでは味わえない、フィジカルな読書の魅力だと私は思っています。 

かつて私がそうだったように、もし当店で本を選んでくださる機会があれば、その「重み」に喜びを感じていただけたら、これほど嬉しいことはありません。当店の棚には、きっと手に取った時にずっしりとくる満足感が待っている本があると思います。

もちろん、素敵な本との出会いがたくさんありすぎて、どうしても持ち帰れないほどになってしまった場合は、ご安心ください。郵送サービスも承っておりますので、どうぞお気軽にご相談くださいね。

#古本屋巡り #古書店巡り #神保町

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